皮膚科では以下の疾患の診断・治療を行っています。頻度の高い疾患である湿疹・皮膚炎群、虫刺され、真菌感染症の足白癬などは、通常は外用薬主体で治療します。痒みの強い慢性蕁麻疹、痒疹、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎などは、定期的な受診が必要となり、必要な検査を行い、外用に内服を加えたコントロールとなります。
また、急性疾患としては、薬疹、ウィルス性中毒疹、急性蕁麻疹や、細菌感染症の蜂窩織炎、ウィルス感染症の帯状疱疹などは、しばしば重篤となることがあり、血液検査を行い、ときに入院治療を必要とします。
難治性皮膚疾患としては、尋常性天疱瘡や水疱性類天疱瘡などの水疱症、掌蹠膿疱症などの膿疱症、尋常性乾癬や膿疱性乾癬などの炎症性角化症、尋常性白斑などは、皮膚科特有の疾患であり、数種の治療法を組み合わた治療が必要となることもしばしばあります。これらに有効な治療法として、ナローバンドUVBも繁用しています。円形脱毛症も生活の質の低下を引き起こす疾患であり、局所免疫療法や副腎皮質ホルモンの局所注射など病状に応じた治療を行っています。
また、糖尿病やその他の内分泌異常、あるいは内臓悪性腫瘍に伴い皮膚に変化が生じることがあり、デルマドロームと呼ばれます。「皮膚は内臓の鑑である」ということばで言い表わされるように、重大な疾患が皮膚科で発見されることがあり、血液検査、画像検査、皮膚生検などを行い、原疾患の発見に努めています。
また、皮膚には腫瘍が高頻度に生じ、良性と悪性の両方があります。診断確定のため、ダーモスコピーや皮膚エコー検査を用い、ついで皮膚生検による病理組織検査で、がん細胞の有無を確認しています。皮膚がんの診断が確定したなら、病期の判定を行います。その後、治療の第1選択として、標準治療とされる適切な切除範囲と深さの手術と皮弁作成術や植皮術を含めた再建術を計画します。術後はガイドラインに沿った術後補助療法と、ひき続き術後経過観察を行うことを基本としています。
皮膚科一般
手術および皮膚生検数
手術・皮膚生検数 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
手術室手術 | 47件 | 90件 | 87件 |
悪性腫瘍 | 23件 | 31件 | 37件 |
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良性腫瘍 | 24件 | 60件 | 55件 |
※「悪性腫瘍」「良性腫瘍」は、1患者に複数の腫瘍があった場合それぞれカウントしています。 | |||
外来小手術 | 129件 | 28件 | 21件 |
外来皮膚生検 | 121件 | 145件 | 128件 |
主任診療部長
医師