さまざまな対策を講じてもなお、年間自殺者数の高止まりが続く現状に象徴されるように、ストレス社会と呼ばれて久しく、大震災をはじめとする自然災害の甚大な被害の影響が人々の生活に暗い影を落とし、長引く経済不況からの回復を待ち望みながらもまだ安心できない状況が続いています。子どもから高齢者まで、こころの健康を保つことが容易ではないことを多くの人が実感していることと思います。このような中で5疾病5事業として新たに精神疾患が位置づけられました。
長崎市内の総合病院の中で常勤の精神科医が勤務する病院は長崎大学病院の他に当院を含めて2箇所しかありません。当院心療内科・精神科外来は総合病院内の無床診療科として、限られた機能ではありますが、精神疾患の治療に関して、地域の関連機関の皆様と連携ととり、当院の役割を模索、検証しながら、日常診療を実践しております。
総合病院内の無床診療科ですが、老若男女、いろいろな方々に受診していただいています。時代を反映して、やはり認知症をはじめとするご高齢の方の受診が増えています。傷病名では、感情障害(うつ病、双極性障害、気分変調症)、不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、身体表現性障害、適応障害、外傷後ストレス障害、解離性障害)、睡眠障害、統合失調症、認知症、器質性精神障害、てんかん等々です。
精神保健福祉法に基づく入院が必要な方、精神科リハビリ(デイケア、作業療法、リワークプログラム等)が必要な方、自助グループ(アルコール、薬物、ギャンブル等)への参加が望ましい方、思春期、摂食障害、外傷後ストレス障害などにより専門治療が必要な方はそれぞれ専門の精神科病院様に紹介させていただいております。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
新来患者数(リエゾンケースも含む) | 255名 | 278名 | 251名 | 262名 | 329名 |
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外来診療は月曜から金曜まで行っています(木曜は午後休診)。総合病院の中での心療内科・精神科の役割としてリエゾン精神科(他科入院患者の精神科的問題の対応)、緩和ケアチームの活動等にもあたっています。
主任医長
外来診療は完全予約制としております。初診の方には、生活歴、家族関係、病歴等最初に詳しく伺う必要があり、スタッフによる予診の他に医師の診察時間を1時間は取っています。
受診をお考えの場合には、直接当科外来に電話で診療予約をしていただくようにお願いいたします。
なお、入院施設がありませんので、入院をご希望の場合はその旨お伝えしております。いろいろとご迷惑をおかけしますが、ご理解、ご協力、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。