がん患者さんやご家族には、病気に伴う痛みなどの身体のつらさ、病気を告げられたことや病気の進行を告げられたことに伴う気分の落ち込みや不安感といった気持ちのつらさ、生きている意味や価値についての疑問、療養場所や医療費、生活のことなど社会的なつらさなど、様々なつらさが重なり合って存在します。緩和ケアとは、生命をおびやかす疾患に伴うつらさを改善するための医療です。
「がんの治療ができなくなってからはじめる医療」というのは誤解です。痛みなどの身体のつらさや、気分の落ち込みなどの気持ちのつらさは、がんと診断された時から存在することもしばしばあります。つらさを抱えたままでは、治療にも前向きになれません。がん診療連携拠点病院である当院は、主治医を中心とした治療チームと緩和ケアの専門チームが協働して患者さんが苦痛なく、前向きに治療を受けていただけるようサポートいたします。
患者さん、ご家族の様々なつらさに対処するために、当院では「緩和ケアチーム」というチームを組んで治療中の苦痛、症状の緩和、治療が終わったあとの療養に関するアドバイス、地域に緩和ケアの正しい情報を普及させていくための教育活動を行っています。当院の緩和ケアチームは平成17年2月より活動を開始し、現在は下記のようなメンバーが参加しています。
毎週木曜日の夕方に定期ミーティングを行っていますが、このミーティングには地域で往診を行っておられる在宅医や訪問看護ステーション、訪問薬剤師などの在宅スタッフも参加されており、在宅移行に向けてのアドバイスをいただいています。主治医の許可を得て在宅医療についてお聞きになりたい患者さん、ご家族のもとに赴いていただくこともできます。緩和ケアチームの診療をご希望される場合は主治医、各病棟の担当看護師までご相談ください。
がんの患者さんの約8割の方はその経過中に痛みを経験し、しかも、痛みの程度は非常に強いと言われています。緩和ケア内科では、世界保健機関(WHO)が推奨するがん疼痛治療法を実践することによりがんの痛みを和らげます。
痛みの程度に合わせて炎症止めの鎮痛薬と医療用麻薬を用いて治療を行います。麻薬と聞くと、「中毒になる」「最期の手段」「やめられなくなる」などのイメージがあると思いますが、これらはすべて誤解です。痛みのある方が痛みを取る適切な量を飲むことで、中毒になることはありません。痛みの強さに合わせて飲むお薬ですから、病気の時期とも関係ありません。がんに対する治療の効果により、痛みが和らげばやめることも可能です。
当科では院内の緩和ケアチームと協働して痛み、食欲低下やだるさ、吐き気、便秘などのからだのつらさだけでなく、気分の落ち込み、不安感などの気持ちのつらさ、医療費の問題や療養場所の選択のアドバイスなども行います。緩和ケアチームで入院中にケアを提供していた方々だけでなく、地域の病院や診療所からのご紹介にも対応いたします。
担当医: 一瀬 浩郎/井上 啓爾
診療曜日: 月・水・金曜日
診療時間: 8:45~12:00(受付終了11:00)
長崎市南西部地域の在宅緩和ケアを推進するために、長崎記念病院様が受託された厚生労働省委託事業である在宅医療連携拠点事業を緩和ケアチームはサポートしています。
兼松 隆之 | 橋口 順康 | 原口 正史 | 鬼塚 伸也 | 市川 辰樹 | 本吉 康英 |
本田 徹郎 | 植原 亮平 | 矢嶌 弘之 | 林 康平 | 堀 朋子 | 松尾 信子 |
澤井 豊光 | 吉岡 寿麻子 | 井手 昇太郎 | 古賀 哲 | 真下 優香 | 山下 彩 |
對馬 秀樹 | 松尾 真稔 | 永延 佳子 | 一瀬 浩郎 | 峯 孝志 | 野田 和雅 |
渡海 大隆 | 川原 大輔 | 今村 一歩 | 夛田 宣裕 | 井上 啓爾 | 平原 正隆 |
南 恵樹 | 白石 和輝 | 朝永 育 | 芦塚 翔子 | 渡辺 淳一 | 竹原 浩介 |
城島 五穂 | 東 江里夏 | 小寺 宏平 | 中島 久良 | 吉村 秀一郎 | 福田 久信 |
平木 裕子 | 森﨑 慎太郎 | 大園 恵梨子 | 町 肇 | 畑地 憲輔 | 辻村 徹 |
浦松 可奈子 | 鈴村 未来 | 南 和徳 | 入江 準二 |