2019年5月8日
関係各位
地方独立行政法人長崎市立病院機構
長崎みなとメディカルセンター
当院職員の肺結核発症について(第3報)
この度、当院の看護補助員が肺結核を発症していたことにつきましては、患者とそのご家族及び関係者の皆様、そして地域の皆様にはご心配とご迷惑をおかけしております。
これまでの経過につきましては、(第1報)2018年11月29日、(第2報)2019年1月31日付けの当院ホームページ等でお知らせしておりましたが、その後の接触者健康診断(以下、健診)の結果と当院の対応につきまして報告いたします。
なお、第2報において1回目の健診は、438名を対象に実施と記載しておりましたが、対象者に海外在住の方等がいたため、当院での健診実施者は435名でした。(海外在住の方は、在住先で健診を実施済みです。)
まず、職員の肺結核発症が確認されてから本日までに、本件職員との接触により結核を発病(注1)された方は確認されておりません。ご報告した通り、1回目の健診で「結核菌特異的インターフェロン-γ(ガンマ)遊離検査(以下、IGRA検査)(注2)」が陰性であった405名(1回目の健診実施者435名から、陽性者18名、1回目の健診以降結核以外の疾患で亡くなられた12名を除く)に対して、2月下旬から4月にかけて2回目のIGRA検査を実施しました。その結果、2019年4月15日時点で陽性者は3名であり、1回目と2回目の健診を合わせて、陽性者は21名となっております。
陽性者につきましては、その後レントゲン等の検査を精査した結果、陽性者の17名は過去に結核に感染していたと判断され、本件により感染した可能性が考えられる接触者は4名でした。
4名の方は潜在性結核感染(結核に感染したものの発病していない状態)として、2名は抗結核薬による予防内服を開始し、残り2名はご本人の希望により胸部レントゲン検査を定期的に行っていくこととなりました。
今回の事象に関する健診はこの2回の健診を以って終了し、陽性の結果が出た全ての方を対象に、半年毎に胸部レントゲン検査を2年間実施し、経過を観察させていただきます。
また、結核への対策として、職員の健康管理の徹底や結核に対する啓発・教育を引き続き行っていきます。
【本件に関する相談窓口】
長崎みなとメディカルセンター 感染制御センター
電話:095-822-3251(代表) 受付時間:平日9:00~17:00
※補足説明
注1)結核の「感染」と「発病」の違いについて
(出典:公益財団法人結核予防会ホームページより)
1.結核の感染とは
結核菌が体内に潜伏し、免疫によって封じ込められたまま活動していない状態のことを「感染」と言います。ほとんどの場合、免疫によって封じ込められたままであり、一生発病しません。「感染した」だけの状態なら、周囲の人にうつす(感染させる)心配はありません。
2.結核の発病とは
「感染」したからといって、全ての人が「発病」するとは限りません。「発病」とは感染した後、結核菌が活動を始め、菌が増殖して体の組織を冒してゆくことです。症状が進むと、せきや痰(たん)と共に菌が空気中に吐き出される(排菌)ようになります。ただし、「発病」しても「排菌」していない場合は、他の人に感染させる心配はありません。
注2)結核菌特異的インターフェロン-γ(ガンマ)遊離検査(IGRA)について
(出典:一般社団法人免疫診断研究所ホームページより)
血液を使って結核菌に感染しているか否かを診断するための検査です。IGRA検査では、結核を発病しているのか、または結核菌が体内に潜伏し免疫によって封じ込められたまま活動していない状態なのかを区別することはできません。これらを区別するためには、レントゲン検査やCT検査が必要になります。また、結核に感染しているかどうかを調べるためのもので、感染の時期は分かりません。
結核に感染して発病する人の割合は、10~20%と言われていますので、発病しない確率が高くなります。今回のIGRA検査で陽性の場合も、必ず発病するとは限りません。
2019年1月31日
関係各位
地方独立行政法人長崎市立病院機構
長崎みなとメディカルセンター
当院職員の肺結核発症について(第2報)
この度、当院の看護補助員が肺結核を発症していたことにつきまして、患者とそのご家族及び関係者の皆様、そして地域の皆様にはご心配とご迷惑をおかけしております。
第1報は、2018年11月29日付けの当院ホームページ等でお知らせしておりましたが、その後の接触者健康診断の結果と今後の対応についてご報告いたします。
まず、第1報から今日までに、本件職員との接触により新たに結核を発病(注1)された方は現在確認されておりません。肺結核を発症した職員との接触が疑われる438名の方を対象に、「結核菌特異的インターフェロン-γ(ガンマ)遊離検査(IGRA)(注2)」という血液検査による健診を実施した結果、18名の方が陽性でした。陽性の方には、本件職員との接触前に感染されていた場合もあるため、今後胸部レントゲン検査等の詳細な検査を受けていただくよう個別に受診のご案内をさせていただきます。
なお、検査の性質上、接触してから陽性の判定が出るまでに3~6か月を要することがあることから、陰性の方についても、2月下旬から3月上旬にかけて2回目のIGRA検査を実施させていただきたいと考えております。
1回目の健診の結果につきましては、接触者健診を受けられた皆様に、近日中に文書にてご案内させていただきます。
今後も、本件に関連する情報は、適宜、当院ホームページ及び院内掲示にてお知らせいたします。
【本件に関する相談窓口】
相談専用の連絡窓口を開設し、ご相談をお受けしております。
[相談窓口のご案内] 長崎みなとメディカルセンター 相談窓口
電話:095-822-3345(直通電話) 対応時間:平日 9:00~17:00
※2019/5/8以降の問い合わせの方は、以下の番号にご連絡下さい。
電話:095-822-3251(代表)
感染制御センター まで
※補足説明
注1)結核の「感染」と「発病」の違いについて
(出典:公益財団法人結核予防会ホームページより)
1.結核の感染とは
結核菌が体内に潜伏し、免疫によって封じ込められたまま活動していない状態のことを「感染」と言います。ほとんどの場合、免疫によって封じ込められたままであり、一生発病しません。「感染した」だけの状態なら、周囲の人にうつす(感染させる)心配はありません。
2.結核の発病とは
「感染」したからといって、全ての人が「発病」するとは限りません。「発病」とは感染した後、結核菌が活動を始め、菌が増殖して体の組織を冒してゆくことです。症状が進むと、せきや痰(たん)と共に菌が空気中に吐き出される(排菌)ようになります。ただし、「発病」しても「排菌」していない場合は、他の人に感染させる心配はありません。
注2)結核菌特異的インターフェロン-γ(ガンマ)遊離検査(IGRA)について
(出典:一般社団法人免疫診断研究所ホームページより)
血液を使って結核菌に感染しているか否かを診断するための検査です。IGRA検査では、結核を発病しているのか、または結核菌が体内に潜伏し免疫によって封じ込められたまま活動していない状態なのかを区別することはできません。これらを区別するためには、レントゲン検査やCT検査が必要になります。また、結核に感染しているかどうかを調べるためのもので、感染の時期は分かりません。
結核に感染して発病する人の割合は、10~20%と言われていますので、発病しない確率が高くなります。今回のIGRA検査で陽性の場合も、必ず発病するとは限りません。
2018年11月29日
患者様
関係各位
地方独立行政法人長崎市立病院機構
長崎みなとメディカルセンター
当院職員の肺結核発症について
この度、当院の看護補助員が、肺結核に罹患していたことが判明しましたので、お知らせいたします。肺結核の診断経緯及びこれまでの対応等は下記の通りとなっております。なお、罹患職員は現在入院治療中です。
患者様とそのご家族様及び関係者、そして地域の皆様には多大なご心配とご迷惑をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。
今後、肺結核に罹患した職員と接触があったと思われる患者様と関係者の皆様について、結核に感染している可能性が否定できないため、万一感染していた場合の早期発見・早期治療を目的に、接触者健康診断(以下、健診)を実施いたします。また、今後より一層院内感染防止の意識を高め、感染予防策を徹底していく所存です。
記
■ 概 要
1.罹患職員 | 看護補助員 1名・・・看護師等が行う業務の補助者 (洗面や配膳・下膳、患者様の身の回りのお世話など) |
2.発症の経過 | |
・2018年4月27日 | 他院での健康診断で胸部レントゲンでは異常所見なし。 |
・2018年8月頃から | 咳と痰の症状が持続していた。 |
・2018年8月28日 | 他院での胸部レントゲンでは異常所見なし。 |
・2018年11月19日 | 咳が強くなってきたため、当院救急外来を受診。 胸部レントゲンで右上肺野に浸潤影(肺の炎症を生じた状態)が 認められ、肺結核も疑われたため喀痰検査を行うも結核菌は陰性 であった。 |
・2018年11月20日 | 当院を再受診。2回目の喀痰検査を行ったところ結核菌が 疑われ、結核菌の遺伝子検査(PCR)で陽性であったため肺結核 と診断した。 同日、入院のうえ抗結核薬療法を開始。 |
3.発症確定後の当院の動き | |
・2018年11月20日 | 長崎市保健所に届出。 健診対象となる患者様 (以下、健診対象患者様)及び 職員(以下、健診対象職員)の把握。 |
・2018年11月21日 ~11月24日 |
健診実施方法等の院内調整。健診対象患者様の把握を継続。 健診対象患者様への案内方法等を協議。 |
・2018年11月26日 | 健診対象患者様へ概要説明及び健診を開始。 |
・2018年11月27日 | 他院入院中の健診対象患者様の現状調査。(医療機関への説明) 関連機関への報告。(実習機関、委託業者等) |
・2018年11月28日 | 健診対象患者様への案内文書送付。 |
※発症確定後、院内感染対策委員会や調査等を毎日実施し、今後の対応を協議。 | |
4.これまでの調査内容 | |
・感染対策のガイドラインに沿って、罹患職員の肺結核発症の診断日から3ヶ月前の 2018年8月20日を感染性期間(結核を感染させる可能性がある期間)の始期と設定し、 健診対象となる患者様及び職員の把握。 | |
・健診対象患者様で他院に転院された患者様の現状調査。 (現在の所在地の確認と健診受診の方法を病院側と検討) | |
5.今後の対応等 | |
①患者対象健診 | |
・調査結果、健診対象患者様は、約200名(2018.11.29時点)となります。 | |
・健診対象患者様には、個別に連絡の上、概要の説明及び健診受診をご案内しております。 | |
・他院入院中の健診対象患者様は、入院中の病院と連携の上、健診を実施します。 | |
・健診方法は、血液検査(結核菌特異的インターフェロン-γ産生能)を行います。 結果を見て必要に応じて胸部画像検査等を行います。(検査費用は当院負担です。) | |
②実習生対象健診 | |
・感染性期間に当院で実習を受けた方(約30名)には、所属校に報告の上、所属校から健診の ご案内をします。 | |
・健診方法は、健診対象患者様を対象とした健診と同様です。 | |
③委託業者スタッフ対象健診 | |
・11月28日、関係委託業者に説明会を実施。日程調整の上、順次実施します。 | |
・健診方法は、健診対象患者様を対象とした健診と同様です。 | |
④職員対象健診 | |
・健診対象職員は、罹患職員の病棟と関係する医師、看護部職員、コメディカルスタッフ、 事務等です。 | |
・健診方法は、健診対象患者様を対象とした健診と同様です。 | |
⑤患者様・ご家族様を対象とした説明会の開催 | |
・12月2日(日)13:30~ 長崎市立図書館多目的ホールで開催します。 | |
・内容は、本件に関する概要説明、結核に関する概要説明、健診の説明、質疑応答です。 | |
・参加は無料で、お申込み不要です。 | |
⑥院内掲示板及び当院ホームページにて概要を公表 | |
・11月29日付で、院内掲示板及びホームページにて概要を公表しています。 | |
今後本件については、適宜、ホームページにてお知らせいたします。 | |
6.本件に関する相談窓口 | |
患者様とそのご家族様、地域住民の皆様の相談窓口として、専用の連絡窓口を開設し、 ご相談をお受けいたします。 | |
[相談窓口のご案内] 長崎みなとメディカルセンター 相談窓口 電話:095-822-3345(ご相談専用の直通電話です) 対応時間:平日9:00~17:00 ※12月1日(土)・2日(日)は対応いたします。 ※2019/5/8以降の問い合わせの方は、以下の番号にご連絡下さい。 電話:095-822-3251(代表) 感染制御センター まで |